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2024.02.23

ディエゴ・マテウス(小澤征爾音楽塾首席指揮者)/デイヴィッド・ニース(演出家)よりメッセージ

小澤征爾音楽塾首席指揮者 ディエゴ・マテウスよりメッセージ

セイジがいなくてとても寂しいですが、私たちの心の中にずっと生き続けています。セイジが教えてくれたことの一つは、どんな時も前を向いて進むということで、それこそが今回我々がいつも以上に責任を持ってやるべきことです。セイジが私たちを見守り導いてくれています。彼のスピリット、メッセージ、音楽家としてどうあるべきかその模範として、芸術それから若い人たちへの愛が、常に私たちと共にあるということです。だからこそ今年の小澤征爾音楽塾は特別な機会となります。全ての公演を心からセイジのために捧げます。


演出家 デイヴィッド・ニースよりメッセージ

この「コジ・ファン・トゥッテ」の 公演は、偉大なマエストロ、セイジ・オザワの思い出と彼の魂に捧げます。 過去20年以上の間に小澤征爾音楽塾に関わる私たち一人ひとりにとって、セイジは特別な存在です。私にとっては、1980年にボストン交響楽団で一緒に仕事を始めて以来、セイジとの仕事はまさにライフワークとなりました!

私たちはボストンやタングルウッドではボストン交響楽団と、そして日本ではヘネシー・オペラ・シリーズで長年共に仕事をしてきましたが、私たちの真のコラボレーションは2000年の小澤征爾音楽塾設立から始まりました。その目的は、若手芸術家を出演者、つまりオーケストラ、合唱として迎え、誰もがお互いに学び合い成長できる環境でオペラを創りたいというセイジの夢を実現することでした。

小澤征爾音楽塾は、学びを経験することに重点を置いた環境で、少なくとも 20 の完成度の高い公演を行ってきました。セイジが信頼するサイトウ・キネン・オーケストラのメンバーを先生として招き、音楽塾オーケストラの指導にあたります。また、演奏そのものが塾生の学びとなる名オペラ歌手や、専門知識を新世代の才能に伝えることができるオペラ界の専門家も招聘してきました。

「コジ・ファン・トゥッテ」の公演が近づくにつれて、私はセイジがプロとして初めて指揮したオペラがこの作品だったことを思い出しています。セイジが偉大なヘルベルト・フォン・カラヤンのアシスタントをザルツブルクで務めていた時に、マエストロ・カラヤンから「コジ・ファン・トゥッテ」の指揮するように言われたのです。 時は 1969 年、セイジがこのザルツブルクでの公演を指揮した時に、情熱的なオペラ・マエストロが新たに誕生しました。そのマエストロはオペラ界に、そして我々の音楽生活の中で特別な位置を占めるオペラに、これからも忠実であり続けるのです。

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