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2024.03.11

子どものためのオペラ「コジ・ファン・トゥッテ」イントロダクション

みなさん、学校で英語の勉強を始めていますよね。でも、このオペラは英語ではなくイタリア語です。タイトルもそうです。どういう意味でしょう?大人っぽく言うと「女はみんなこうしたもの」という物語です。わかったようなわからないような。別の言い方をすると「女子の気持ちを男子はわからない」、「男子って単純(純粋?)」、「女子ってしっかりしてる」などなど。今は多様性の時代。女子とか男子とか一括りに決めつけるべきではありませんね。でも、何事にも傾向というものはあるものです。

若い2組のカップルがいて、男子は友達同士(フェランドとグリエルモ)で女子は姉妹(フィオルディリージとドラベッラ)。お互い仲良しです。“でも変わらずにずっと仲良くなんて行かないよ”とひねくれた大人たちは言います(ドン・アルフォンソ(いわゆるおじさん)とデスピーナ(いわゆるおばさん))。

このオペラは全2幕ありますが、今日お見せするのは1幕の途中まで。“恋人に会えないと寂しいし、早く帰ってこないかな”、というのが女子目線のストーリーで、“僕たちの恋人が裏切るはずないって”、というのが男子。おじさんは“結果を見るがいい”、とちょっと何言ってるかわからないし、おばさんは“男なんていい加減なんだから信じちゃダメよ”と厳しいことを言います。

今日は上演しないけれど、物語の後半(2幕)は女子の気持ちが揺れ動いたり、男子は調子に乗ってずるい面も見え隠れしますが、最後は“物事の良い面を見ようよ、あとユーモアのセンスも大事”と歌って終わります。みんなの周りを見回すと仲良い夫婦も、パートナーとうまくいっている人も、そうでない人も、一人が好きな人もいろいろいますよね。物事の良い面を見ましょう。歌でも、オーケストラでも、物語でも、舞台のセットでも、劇場の雰囲気でも、“隣の学校の子が可愛かった”でも良いのです。今日の経験がみなさんの心に残って、ふとした時に思い出してもらえますように。

 

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